自然の苦しみ=人間の苦しみ--「共感」を取り戻す

アニミズム 存在の糧 以下抜粋

-鶴見和子さん『曼荼羅Ⅵ

水俣病患者の川本輝夫さん

『それに、これは自然の苦しみもあるはずですもんな、当然。

自然が元に戻るには何十年かかるかわからんちゅうとも言われとるし、

人間の苦しみも加わっている。

そういう悩み、苦しみを受け入れる感受性ちゅうもんが

〔会社側の人々には〕全然なかっちゃなかでしょうかなぁ。』

川本氏は、
狂い死にした猫や、死んだ魚や、汚された海の苦しみを、

人間の苦しみと同じものだと言っている。

そして、自然の苦しみへの

共感を取り戻すよう、会社人間をうながしている。

人間は自然に対して 何をしてはならないか、

生命への「負荷」を高めないよう「介入しない」原則を守ることが重要だ。

その中でも、最重要で優先順位の高いのは

「遺伝子へ介入しない」原則を守ることだろう。

端的に言えば、

今日の技術文明が、

遺伝子をも破壊するような毒物を「作らない」ことを
”好ましい”と価値づけるような
新たな文明へと組み換えられることである。


それは「経済発展」から

「共生」型のパラダイムへの移行が求められているということである。

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【原発の温廃水問題】
トリチウム、コバルト60、マンガン54といった放射性物質が
大量の 温廃水とともに 海に捨てられている。
温廃水の実態は、廃熱と化学物質と放射能が三位一体となった
正体不明の廃水なんですね。猟師はこれを『悪水』と呼んでいます。
(東京海洋大学名誉教授 水口憲哉氏)

【日本人の”薬”(ワカメ・メカブ)が消滅】
廃水による海の汚染は、有毒物質によるものばかりとは限らない。
廃水が持つ「熱」により、周辺海域の環境が破壊される。
サメ・ウミガメ・イルカ・クジラ・エイ・ダツ...漂着死体
「磯焼け」(=海底の藻場が死滅)は、
海水温の上昇が原因だとする説もある。

【ガンその他の病気を誘発】
---もし水道水に 温廃水が混じっているとしたら...
「水俣病では 最初に 猫が狂い死んだ。
それから、ヒトへの被害が明らかになった。
ここでも 同じことが起きているのかもしれません。」
不安の解消に至る(九州電力の)説明は、
回答期限までに得られなかった。(南方新社・向原氏)
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明石昇二郎氏 ルポルタージュ研究所 http://www.rupoken.jp/

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-鶴見和子さん『曼荼羅Ⅵ

人間が魂を持っていると同じように

山も、川も、蛙も、ミミズも、石ころも、全てのものが
人間と同じように一緒に生きていく。

生きているものにも、生きていないものにも、
全てのものに人間と同じように魂が宿る 

これがアニミズムの信仰である。

誰かが誰かを殺して生きたり、

誰かが上位に立ってそれを支配して生きていくのではなく、

共に成り立つような形で生きていく。

対等なものとして扱おうという考え。

その他には 教義も無ければ、定められた儀式も無い。

アニミズムの信仰は、現代の日本人の暮らしの中に、

さまざまな形で、少なくとも潜在的に生きている。

日本には、昔から山岳信仰にもとづく修験道のように、
自然を全体としてつかむ方法があった。

まだ生まれて来ない、萌芽の状態にさえない生き物を、

人間だけでなく人間を含めた生き物を、

環境を汚染することを通して、ずっと殺すか、傷つけている。

放射性物質または化学物質によって、
いったん傷つけられた遺伝子は、
世代から世代にわたって影響が続くからである。

これは道徳的に 倫理的に非常に詫びることだということで、
生命倫理の一番の問題になっている。

それが胎児性水俣病患者に、広島・長崎の被爆者の問題に結びつく。


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中村元対談集Ⅳ 日本文化を語る』 以下抜粋

中村元氏

「宗教」はもともと仏教の言葉であり、「宗」と「教」とは違う。

「宗」というのは、もとのもの。

これは言葉では言えない言語表現を超えた根本のものである。
それを人々に説く時に「教」になる。

「教」は、時によっては 不適当になれば変えてもいい。捨ててもいい。

けれど、そのもとのもの、これを無視してはならない。

梅原猛氏 

日本の場合、何かそのもとにある「宗」と、
出てきた「教え」とは、だいぶ違っている。

もとにあるものは、日本人の生活に溶け込んでいて
それは必ずしも言葉や思想として表現されない。
それを大切にすることが一番大事だと私も思います。

もと というのは、人類の最も古い宗教じゃないでしょうか。

旧石器時代の人類にとって普遍的な宗教ではないかと思います。

そういうものにもう一度、人類は返らないと、

宗教が逆に対立を助長する。

そういう意味では、日本人の精神生活の根底に、
人類の最も古い、「宗」の宗教が残存している。

私は、日本の宗教は、そういう「宗」の宗教が根本にあり、
その上に、禅とか、日蓮とか、浄土とか
「教」の宗教が加わったものと思っています。

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”平和な”式典・”安全な”原発--騙される側「うつけ者」
神も仏も無い【教え】