宮沢賢治からのメッセージ--動物の”魂”に目を向けて

英語で読み解く 賢治の世界
ロジャー・パルバースRoger Pulvers 著
訳:上杉隼人氏   以下抜粋

キリスト教徒は、仏教徒と同じように

生命の大切さを 信じます。

しかし、キリスト教徒にとって、
誰の生命が大切か と言えば
それは 疑いなく 人間の生命です。

キリスト教徒の信仰において

動物は 魂を 持ちません。



仏教徒は

少なくとも 理想 としては、すべての生命を尊びます。

☆     ☆     ☆

--想起: 鈴木孝夫氏日本人はなぜ日本を愛せないのか』 

明治の初め、ヨーロッパやアメリカに渡った日本人は、
欧米の書物を読み、
「人間」の自由、平等、博愛などの高邁な理念や思想にとても感激しました。

ところが、現実として彼らが目にしたものは、
欧米人が植民地の非白人現地民や国内の黒人を公然と差別し、
動物のように酷使虐待して、少しも憚(はばか)るところの無い様子でした。

彼らは欧米人の言説と行動が、
このように乖離(かいり)し矛盾していることに大変悩みました。

それはこの時代の日本人が、

欧米人の言うところの「人間」とは、

白人のキリスト教徒だけを指す言葉で、

非白人の非キリスト教徒までをも含む全人類のことではないことに

全く気付かなかったためです。

1989 年頃のダーバン市内の海岸で掲示された非白人立ち入り禁止の看板
キリストの居ない”キリスト教”
「サタン」=偽キリスト、偽預言者

☆     ☆     ☆

人間と動物の関係は、古今を問わず 西洋の物語に描かれています。

しかし、そこにおいて 人間と動物が 同等に交流するかといえば

そうでは ありません。

西洋の物語においては、動物は 人間を脅かすもの、
もしくは 人間に仕えるもの として 描かれています。

たとえば ディズニーによって--動物と人間の交流を描く西洋の物語

-- そこに登場する動物たちは、 みんな 人間によく似ています。

実際、彼らは 動物の皮をかぶった人間にほかなりません。

動物たちは ある時はかわいく、ある時は残酷に描き出されています。

そのようにして、人間同士の物語を作り上げる役割を与えられているのです。

☆     ☆     ☆

宮沢賢治は、動物を 人間と同じレベルの存在として

あるいは それよりも 高いもの として見ています。

--動物たちは 人間たちの 身勝手な行為や 計画によって
犠牲になっている--


と言えるかもしれません。

「なめとこ山の熊」に出てくる 猟師の小十郎は、
熊を殺すような仕事をしていれば、
最後に自分は どうなるか-- 確かに 認識しています。


賢治の物語では、動物たちが 話をできることも珍しくありません。

「よだか」も 話すことができれば
熊も 山猫も 鼠(ねずみ)も 猫も
みんな 言葉をしゃべります。

しかし、彼らは ディズニー映画に出てくる動物たちのように
かわいらしい話し方は しません。

賢治の動物たちは、知恵を得たりしますし、
何かを 諦(あきら)めたり 悲しんだりもします。

そして

時には その気持ちを人間たちに伝えて

人間たちに 何かを 教えようとします。

賢治が作り上げた動物たちが ぼくらに伝えているのは、

人間であろうと、動物であろうと

みんな 宇宙の一部である
We are all part of Creation.

ということです。

だから--

ぼくらが 全員 協力して 生きていかなければ、

1人残らず 滅びてしまう-----

と賢治は 訴えています。

ぼくら 人間は
謙虚に 受け止めなければならない

動物も 
ぼくら 人間と同じように

を 持っているんだ

そのことに 目を 向けなければ

非常に 危険な状態に 陥(おちい)ってしまう。

賢治は 時代を超えて
ぼくらに そう 訴えています。

☆     ☆     ☆

「雪渡り」(--- 賢治 1921年 25歳の作品)の最後で
狐の生徒たちの 幻燈会(げんとうかい)が終わった後に

紺三郎は こう 言います。

みなさん
今晩の 幻灯は これで おしまいです。

今晩 みなさんは 深く心に留めなければならないことが あります。

それは

狐(きつね)のこしらえたものを
賢(かしこ)い 
少しも酔わない 人間のお子さんが

喰べてくだすった という事です。

そこで みなさんは これからも、
大人になっても うそをつかず そねまず

私共 狐の 今迄の悪い評判を
すっかり なくしてしまうだろう と 思います。

--- 閉会 の辞です

狐の生徒はみんな感動して両手をあげたりワーッと立ちあがりました。

    

イオマンテ(魂をあの世へ送る) 怨霊鎮めの祭り

-----アイヌの世界観では、

古代日本のそれと同じく、

人間ばかりか、すべての生きとし生けるものの魂は、

この世とあの世の間を
絶えざる循環(じゅんかん)の旅をするという考えがある。



May 5, 2009  Republic of Lakotah
http://www.republicoflakotah.com/
アメリカン・インディアン(Russell Means) の思想と重なる

命あるものを大切に

化粧品・日用品を選ぶ時
動物実験をしていないメーカーのリスト
http://www.nomoreanimaltests.com/cosme/cosme_list1.html
動物実験 http://www.nomoreanimaltests.com/brpm/br4.htm

ネィチャーズウェイ
罪のない動物の無駄な死、また動物実験をしている化粧品を購入することは
動物実験を間接的に支援してしまうこと、
動物実験の代替えの方法もあるということ
私たちが健康できれいになるために
動物たちがたくさん死んでいるのは悲しいです...