しつけ(躾)るとは、『礼儀作法を教え込む』ことで、
虐待(ぎゃくたい)、暴力とはまったく別物だ。
犬の場合、子犬の時に ジャレて噛(か)んでくる。だんだん強く噛んでくる。
その時、子犬を仰向けに寝かせて、
アゴをあげる(気道確保のように) 足をのばして
全体が 伸びをしている格好にさせる。
それだけで、子犬は自分がしてはいけないことを理解する。
暴力は一切 必要ない。
トイレの躾にしても、上手くいった時に ベラボウにほめる。
ほめて褒めたおすと良く覚える。
人間の場合は、どうか?大人は?まったく同じだ。
アンドルー・カーネギーが38歳という若さのシュワッブを社長に迎えた。
週給50ドルがかなりの高給とされていた時代に、
年俸100万ドル以上の給料をカーネギーはシュワッブに支払った。なぜか?
シュワッブ自身の言葉は こうだ。
わたしには、人の熱意を呼び起こす能力がある。
これが、わたしにとっては何物にも代えがたい宝だと思う。
他人の長所を伸ばすには、ほめることと、励ますことが何よりの方法だ。
上役から叱られることほど、向上心を害するものはない。
わたしは決して人を非難しない。
人を働かせるには奨励が必要だと信じている。
だから、人をほめることは大好きだが、けなすことは大嫌いだ。
気に入ったことがあれば、心から賛成し、惜しみなく賛辞を与える
シュワッブは断言する。
わたしは、これまでに、世界各国の大勢の立派な人々とつき合ってきたが、
どんなに地位の高い人でも、小言をいわれて働くよりも、
ほめられて働くときのほうが、仕事に熱がこもり、出来具合もよくなる。
その例外には、まだ一度も出合った事が無い
実はこれが、アンドルー・カーネギーの大成功の鍵なのだと、
シュワッブは言っている。
カーネギー自身も、他人を、公私いずれの場合にも、ほめたたえたのである。
『人を動かす』D.カーネギー 翻訳 山口博氏より編集
他人からもらった優しいほめ言葉は、
夜明けの星の奏(かな)でる音楽のように、
いつまでも記憶に残り、心の力になる。
飼い主と常にスキンシップのある動物は幸せそうだが、
いったんスキンシップをなくされた動物たちは、いっぺんに元気をなくし、
異常行動・ノイローゼ状態になる。人間も彼らと同じ哺乳類だ。
スキンシップを無くされたら、赤ちゃん・子供・大人は
みな孤独感に襲われ、”異常行動”に出る。
それを見つけて
怒ったり無視すれば さらに彼らを追い詰める。
異常行動や病気を治すのに スキンシップほど役に立つものは無い。
「手当」という言葉でわかるように、
医者や看護婦は患者に手を当てる。
親は子供に手を当てる。
イエスもマザー・テレサも 偉人達は皆、手を当てて声をかけることで
人間の孤独感を癒し、治療した。”奇跡”を解くカギはここにある。